🐟

フランス文学、哲学・現代思想@aya_furukawa03

何者にもなれなかったあとに

一昨年の10月、大学院に落ちた。理由は英語だった。 でも、「お前は文章を書いていい人間じゃない」と言われたように思えた。1月にも他の大学院の入試はあったけれどそこに向けて頑張れるような根性はわたしにはなく、半年の休学ののち就活をした。 就活の結…

文学における〈異化〉効果

文字によってものが形作られるとき、〈存在〉と〈認識〉の間には必ず時間差が生じる。目に映るものであればその姿を一度にとらえることができるが、それが〈書かれたもの〉となったとき、われわれはその部分をひとつひとつ認識していかなければならない。こ…

顕在内容とイマージュ――S・フロイト『夢判断』(新潮文庫)

最近精神分析界隈について勉強しなおしてるので今回はフロイトの『夢判断』。 一年ほど前に書いたものを修正したやつです~。 *** 「すべての夢は願望充足である」――S・フロイトの事実上の処女作である『夢判断』では、このテーゼを軸に夢に関する精神分…

「一人称を略奪して書け」――村上龍『限りなく透明に近いブルー』(講談社文庫)

批評再生塾の第四回の課題で 五所さんが出していたテーマ(一人称を略奪して書け)が 面白かったので受講生でもなんでもないんですが 村上龍の『限りなく透明に近いブルー』で書いてみました。 *** 何からはじめようかな。僕の見るものの話からしようかな…

未完成に、革命的に――ジル・ドゥルーズ「文学と生」(『批評と臨床』河出文庫)

Twitterにベケットだったりドゥルーズだったりが好きって書いちゃったから(ほんまに好きやけど)、とりあえずはじめはドゥルーズからあげていきます。ね。 因みにわたしがはじめて読んだドゥルーズやったりします。 *** 『批評と臨床』の第一章である「…